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平成27年(2015年)の介護保険改正(3)~一部サービスの市町村移管


平成27年(2015年)の介護保険改正(2)~利用者負担と補足給付の見直し に続き、特に利用者にとって重要な改正点のポイントを整理します。


(4)これまで全国一律で設定されていた「要支援者向けサービス(介護予防訪問介護・介護予防通所介護)」を、市町村の事業(地域支援事業)に移行[平成29年(2017年)度末までの、最長3年以内に実施]


介護保険で要支援1・2の方を対象としていた「介護予防訪問介護」・「介護予防通所介護」が国の介護保険のサービスから外れ、市区町村が運営する「新しい総合事業」へと移行することになります。

なお市町村は介護保険事業者のみならず、ボランティアやNPOにも事業を委託できます。

注意したいのは、「要支援者向けサービスの全部が市区町村に移るわけではない」点です。市区町村に移るのはあくまで「介護予防訪問介護」・「介護予防通所介護」の2サービスだけであり、それ以外の要支援者向けサービスは引き続き、介護保険の予防給付に留まります。

また、上記の2サービスのみでなく、ケアプラン上、これまでの介護保険の予防給付サービスを1種類でも組み合わせて利用する場合も、これまでどおり介護保険の予防給付サービスとして使い続けることができます。


しかし調査によると、要支援者が使用するサービスの約5割が上記の2サービスとのことで、今回の改正には「軽度者への介護予防は、今後は市町村の責任と判断でやって欲しい」という国の意図があることは明らかです。


この移行は市町村の判断に基づいて3年以内の時期に実施されるわけですが、厚生労働省の調査によれば、2015年度中に実施を予定する市町村はわずか114、全体の7%強に留まるとのことです。

介護ボランティアの確保が間に合わないなど、準備にもっと時間をかけたい市区町村側の事情が見てとれます。

 

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「新しい総合事業」は今回の改正法で入ってきたものですが、これまでも介護保険の対象とされてきた「地域支援事業」の枠内に位置づけられるものです。

平成24年(2012年)の介護保険改正で入ってきた同じく地域支援事業のひとつである「介護予防・日常生活支援総合事業」も、この「新しい総合事業」の傘下に入るかたちになります。

しかし市町村が地域支援事業に使える予算は、これまでもその上限(介護保険財政の3%以内)が決められていました。

市区町村の「地域支援事業」とは


市区町村への移行後も簡単に費用の枠は超えられないため、介護事業者に支払われる報酬はこれまで介護保険の枠内で提供されていたサービスよりも、金額的に抑えられる公算が高いと考えられます。


サービスの利用者が支払う料金は、市区町村ごと決められることになります。またどんなサービス内容を提供するかも、各市区町村の判断となります。

財政・体制面における市区町村間の格差が現実にある以上、利用者がこれまでと同一の料金を支払っていても、実際に事業者から提供されるサービス内容が悪くなったり、あるいはサービス内容が変わらないのに料金だけ高くなる可能性はあります。


利用者が不満を抱いてサービスの利用を手控え、結果として本人の介護度が重症化していくような事態は、もっとも避けたいところです。地域格差が広がる恐れもあるとして、改正法の審議段階でも批判が集まったところです。

しかし成立し施行が決まった以上、自治体の財政力いかんでサービスに大きなバラつきが出てこないよう、住民としても他の自治体と比較しつつ、検証していく目線を持つ必要があります。


なお、自治体から提供される地域の介護サービス情報を、厚生労働省がとりまとめて公表している「介護サービス情報公表システム」においても、今回自治体に移行される「介護予防訪問介護」「介護予防通所介護」が、2015年4月から検索対象として追加されました。

地域包括支援センターの情報もあわせて追加公開されることになり、提供情報も充実する方向ですので、必要に応じ利用してみましょう。

介護サービス情報公表システム
「介護サービス情報公表制度」の概要。
「地域包括支援センター」を有効活用する



(5)介護保険料の低所得者の負担軽減(所得段階に応じた保険料率の引き下げ)[平成27年(2015年)4月~]


3年に一度行われる「介護保険料の改正」も、2015年4月から行われました。2012年4月の改定に続き、5度目の改定となります。

介護保険料~被保険者の種類で異なる納付方法・市町村で違う納付額


直近の月額介護保険料(第1号被保険者)の全国平均(2012~2014年度)は4,972円でしたが、残念ながら現役世代の支払う月額介護保険料は、すでに平均ベースでも5千円台を突破しているようです。実際に2015年4月から、多くの市町村が月額5,000円以上への値上げを行っています。


所得水準が低く「とても払えない」という方が日本全体であまり増えてしまうようでは、介護保険制度の持続可能性にも影響が出かねません。低所得者に対する介護保険料の負担軽減が、政策的に求められるゆえんです。


これまで第1号被保険者については、所得を6段階に分けて段階ごと設定された「保険料率」を乗じて、介護保険料を算出してきました。


この6段階のうち、低い方の3段階に属する「低所得者(市町村民税非課税の世帯で、本人の年金収入が一定額以下の者)」については保険料率を下げて、結果的に介護保険料を下げることとしました。ちなみに今回減額した分の金額は、すべて国の公費から補填されます。

同時に6段階中の上位2層については逆に保険料率を上げたことから、所得がその層に属する方は介護保険料が値上がりすることになります。


国は現在、保険料を課すために設定したこの「所得区分の段階」を、現在の6段階からさらに細分化して9段階にすることを検討しています。

将来的に見込まれる介護保険料の値上げと、低所得者の支援対策をできるだけ両立すべく、所得にもとづく条件設定をさらにきめ細かくする必要があると考えているようです。

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