訪問介護サービス・ホームヘルパーの利用時における注意点 からの続きです。
「ホームヘルパー(以下 ヘルパー)」の仕事は、介護保険利用者の家庭の状況ごとに異なった対応が求められる、ある意味で特殊な仕事です。
料理ひとつとっても、利用者の味の好みにあわせるようにする必要がありますし、また利用者だけでなく、ひんぱんに顔をあわせる「利用者の家族との相性」という問題もあります。
利用契約にもとづいて訪問するヘルパーは、言うまでもなく利用者とは完全に対等の関係であり、あたかも家政婦さん感覚で何でも頼むなどの振る舞いは、厳につつしむようにしたいものです。
また、ヘルパーさんと呼ばず、その方の名前をきちんと呼ぶことによって、親近感のわくコミュニケーションをとるようにしたいものです。
ヘルパーとのコミュニケーションをよくすることを心がけると同時に、サービスに関わることを丸投げせず、必要な指示を出してチェックすべき点はきちんとチェックを入れることも大切です。
たとえば買い物のときは、買う食材をきちんと指定する。
無かった場合の代替品の購入についての指示を明確に行っておく。
買い物時に渡す金額をきちんと決め、サイフをまるごと渡さない。
そしてレシート授受をきちんと行うなど、手順をある程度ルール化しておくことが、後々の無用なトラブルの発生を防ぐことにつながります。
ヘルパーはつねに同じ人が担当するとは限らず、数名が交代で来るケースが普通になっています。
この場合は、利用者の家族と複数のヘルパー間のコミュニケーションに漏れが起きないよう「介護連絡ノート」を一冊用意して、それぞれが気づいたことを書くようにしておくとよいでしょう。
口では言いづらいことを書いてさりげなく伝えることもできますし、またヘルパーが新しい方に代わったときにこれまでの経緯の引き継ぎ記録として読んでもらえるなど、多くの効果が期待できるからです。
介護保険におけるホームヘルプでは、原則として「ヘルパー2級」以上の資格が必要となりますが、単に資格級の違いだけで介護サービス内容の善し悪しが決まってくるわけではありません。
ヘルパー3級は身体介護が行えず(生活援助のみ出来る)、また平成21年(2009年)4月からは原則として介護報酬も支払われなくなったのですが、地方では経験年数の長いヘルパー3級の方がいまだに活躍していることは、珍しくありません。
(なお、ヘルパーの資格取得の要件を厳しくする施策がとられている背景と理由については、以下の姉妹サイト記事をご参照ください。)
介護福祉士とホームヘルパー、資格取得要件の見直しとその背景(1)。
介護福祉士とホームヘルパー、資格取得要件の見直しとその背景(2)。
生活援助にかかわるサービス提供だけを依頼するのなら、そのようなヘルパー3級にお願いするほうが、現場経験の少ない介護福祉士に依頼するよりも実際的でしょう。
ヘルパーのサービス提供範囲は、当然事前に作られた介護保険のケアプランにもとづくことになります。
しかしながら、その範囲を多少はみだすような内容をお願いしたり、あるいは突発的・緊急的な事態によって想定外のサービスが必要になるケースもあります。
ヘルパーはあくまで利用者の「日常生活の」支援を目的として来ているわけですから、その点を大きく踏み外さない限り、お願いして多少手伝ってもらうことは許容範囲内と考えておいてもよいでしょう。
ただし時間的な余裕がある場合は、ヘルパーに頼む前に、あらかじめ事業所にその旨を話してOKをとっておくようにしたいものです。
担当ヘルパーと積極的にコミュニケーションをとったり、改善を依頼するなどいろいろと努力してみても、どうにも利用者本人または家族との相性が悪く、サービスが使いづらい...といった事態は、やはり起こりうることです。
訪問介護サービス事業所にとっても業務運営上、利用者からの苦情はある程度想定範囲に属することでもあります。
やむを得ないと判断した場合は、率直に事業所の責任者に話し(直接言いづらい場合には、担当ケアマネジャーに頼むなどして)、担当ヘルパーの交代を申し出ましょう。
そして利用者がヘルパーの交代によってストレスを増さぬよう、また新しいヘルパーが働きやすいよう、上で述べた「介護記録ノート」などいわばまさかの事態に備えた「環境づくり」には、日頃から配慮しておきたいものです。
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